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Channel: 特集 –クラリネの読みもの –リンネル公式通販kuraline(クラリネ) –
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暮らし上手さんの憧れキッチン

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家の中でも特にキッチンには、暮らす人の趣向、工夫、
そして物語がつまっているように思います。
使いやすいようにどんな工夫をしているの?
どんなふうに過ごして、どんなごはんを食べているの?
いろいろなキッチンをリレー形式でめぐり、
暮らす人の「作って食べる」に隠れた物語をうかがいます。

 

vol.1 福田春美さん(ブランディングディレクター) -前編-

住まいは低層の集合住宅。キッチンとリビング合わせて20畳という広さ。ここで愛犬のリタと暮らす。

 

「おなががすいている人をほっておけない」という女将気質

長くアパレルでディレクターとして活躍し、現在も「CorteLargo(コルテラルゴ)」、原宿とシンガポールにあるギャラリー「EDIT LIFE」、そして香りと洗剤のブランド「a day」といくつものブランドのディレクションにかかわる福田さん。たくさんの仕事を切り盛りするだけあって、とても面倒見のいい女将気質な人でもあります。打ち合わせのために自宅に訪れる若いスタッフに「お腹が空いていない?」「何か食べる?」と、必ず声をかけてしまうとか。
「お腹が空いている人がいるのがいやなんですよね(笑)」。

 福田さんは、札幌の出身。魚市場のそばで銭湯を営む両親のもと、三姉妹の二番目として育ちました。
「とにかくお客さんの多い家でした。市場の人たちは仕事帰りに銭湯に寄って帰りますし、近所付き合いも盛ん。祖父母と同居していて、祖父は華道、祖母は三味線、父は茶道、母は日本舞踊を教えていたので、それぞれの生徒さんもいらっしゃる。そうそう、下宿人もいたのでとにかく人がいっぱい!
 だからお手伝いの方もいたし、私たち姉妹がほぼ一日台所にいましたね。食卓にはドン!と茹でたてのとうもろこしが山盛りになっていたり、おでんやカレーはもちろん大鍋。忙しい母に“春美、ルー入れといて!”と言われて。小1から私の仕事は、カレーにルーを入れることでした。お腹が空いている人をほっておけないのは、こういう環境で育ったからなのかも」。
 そんな包んでくれるような福田さんを慕って、夜になると仕事仲間が家に飲みに訪れます。
「友人が遊びに来るのでそれをフェイスブックにあげたりすると、近くに住む別の友人が私も今から行くよ〜、とやってくる(笑)」
 福田さん宅での集いは、「Hamiru(ハミル)亭」と呼ばれていて、年末になると、仕事納めをした解放感からかあちこちから忘年会を終えた友人がやってくる。友人がさらに友人を連れてくるものだから、なかにはHamiru亭を予約制の会員バーだと勘違いしてくる人も。
「うちは収納が少なくて食器や道具がオープンになっているから、どこに何があるかみんなわかってくれていて。私が準備しなくても、どんどんグラスを出したり料理を作ってくれる(笑)」
 ちなみに福田さんはお酒が飲めません。夜も深くなり、カーペットの上で眠ってしまった人に、福田さんはブランケットをかけてまわります。ここでも、福田さんはみんなの女将!
「10人もいると寝落ちの曼荼羅のようですよ。うちに足りないのは収納とブランケットだな、とブツブツいいながら、おふとんかけてます」。

 

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もともとは収納が全然なかったというキッチン。大家さんの許可を得てプチリノベを。ガス管と木の板を組み合わせた棚(写真A)は、仕事仲間である内装デザイン会社F.H.C.の土屋豊さんとSMILIESの阿部臣吾さんに頼んでつけてもらったもの(福田さんが関わるギャラリー、EDIT LIFEでもオーダー可)。イケアのワゴンを使ったり(写真C)。写真Bのステンレスと古材を組み合わせたワゴンは、お店の什器として作ったもので残念ながら非売品。

 

米とぎザルや味噌こしザル、たわし、エプロンは吊るすことで手が届きやすく、また乾かせるので衛生的。S字フックはアメリカのホームセンターなどで購入したものが多い。キッチンは最近リノベーションをし、N.Y.の地下鉄に使われる白いタイルを貼り、棚も同時に取り付けてもらったとか。棚上の民芸や作家ものの壺の中身はすべて塩。塩は、沖縄やフランスなど産地によって味が違うので、料理に合わせて8種類を使い分けている。

 

「築地市場はパリコレと同じ。初めて行った時は鳥肌がたった」

友人を招いて自宅で食事をする時は、築地市場に買い出しへ。
「自分が市場のそばで育っているので、魚はお魚屋さんのものがおいしいと思うし、スーパーよりは専門で買い物をしたいなって」。
とはいえ、築地市場は、場内とはいえど素人がいきなり行っても買えるような場所ではありません。
「江戸懐石を習っていたのですが、その先生に連れて行っていただいて、2年通ってようやく自分ひとりでも買わせてもらえるようになりました」。

憧れだった築地市場に入ったとき。その躍動感と迫力に、はじめてパリコレでマルタン マルジェラのショーを見たときと近い感動を味わったとか。
「鳥肌がたちましたよ。うわー、市場ってかっこいいって。何度も通うと覚えてくださって親切にしてくださるし。もうすぐ移転してしまうから、そうなる前に興味がある友人を連れて行ったり、せっせと通っているんです」。

 

<後半(11/2UP予定)へ続く>

 

写真/永田智恵
取材・文/高橋紡


マエダサチコさん×リンネル 別注限定キャンドルが登場します!

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リンネルでも大人気のキャンドル作家マエダサチコさんが
kuralineのオープンを記念して、
繊細で可愛いお花のオリジナルキャンドルを作ってくださいました!

マエダさんのアトリエにて出来上がったサンプルと。

 

飾っても、灯しても美しい繊細なキャンドル

「クリスマスが近いので、贈り物にしても喜んでいただけそうなキャンドルを作りました。可愛らしいイメージのピンクの土台と大人っぽい雰囲気の緑の土台それぞれに、ミツロウで作ったお花のモチーフをのせています」と話してくださったのは、キャンドル作家として人気のマエダサチコさん。
小さいサイズのキャンドルのモチーフにしているのは、定番人気の芍薬のお花です。
「芍薬を作るときは、がくのあるものやないものなど、微妙な違いを表現しています。薄い花びらを何枚も重ねて丸く作っているので、キャンドルを灯すとランタンのように灯りがこもって花びらが透けて見え、とってもきれいなんです。ぜひ、灯して楽しんでみてください」。

素敵な箱に入ってくるので、贈り物にもぴったり。

 

本物のようなお花のモチーフにうっとり

大きいサイズのキャンドルには、2種類の芍薬。さらに、ピンクの土台には、黄色のアネモネとポンポン菊を。緑の土台には紫のアネモネとラナンキュラスをのせています。

「芯が3本あるので、同時に灯すと、それぞれの灯りが小さく揺れてとてもきれいですよ」

 

やわらかなアロマの香りに包まれて

「今回はすべてのキャンドルに、ラベンダーローズのアロマエッセンスをほんの少し香る程度に入れています。キャンドルに使う香りの中でもラベンダーローズは石鹸のような優しい香りがして人気」キャンドルの灯りと一緒に、ほんのり漂う香りに癒されて。

マエダさんの手作りキャンドルが、こんなにリーズナブルなのは今後ないかも!?

 

マエダさんが作り出すキャンドルはお花やスイーツ、マリアさまなど、ちょっぴり毒のあるガーリーなモチーフが人気。リアルなディテールにこだわって、繊細に仕上げられています。今回のキャンドルのモチーフとなっている芍薬は、ロウで作った約70枚の花びらを組み合わせていくそう。マエダさんの世界観が詰まったキャンドルは、オブジェとしてそこにあるだけで、特別な空間を演出してくれます。ぜひ、別注限定のキャンドルを手にしてみてください。

 

撮影/千葉亜津子
取材・文/佐久間千絵

 

「マエダサチコ×リンネル/キャンドル」詳細はこちら

 

※大変好評につき、「キャンドルLサイズ」は完売いたしました。追加販売の予定はございません。

ポトペリー×リンネル、コラボのうつわができました。

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今回、リンネル「kuraline」とポトペリーがコラボをして器をつくりました。ポトペリーというブランドの魅力、そして別注して出来たアイテムのことを、「kuraline」バイヤー早川が、ポトペリー主宰:岡見宏之氏とのインタビューも交え、綴ります。


心惹かれる北欧ヴィンテージ

年に数回買い付け出張で訪れる北欧、見ているだけで笑顔になる素敵な陶磁器に出会えます。ぽってりとした愛らしいフォルムに、柔らかで絶妙な釉薬に包まれた1950年代に生まれた陶磁器たち。可愛さと洗練した佇まいを併せ持ち、60年以上経った今も愛され続けているのも納得です。主張しすぎないデザインは、日本の食器と合わせてもしっくり来て、現代の暮らしにも馴染む不思議な魅力をもっています。

 


日本でみつけた!北欧を感じさせる器が「POTPURRI」

東京のある展示会で「まるで北欧ヴィンテージのよう」と一目見て心躍った器。それはデザイナー岡見宏之さんによる食器ブランド「POTPURRI(ポトペリー)」の新作「Fajans(ファイアンス)」。バイヤーという仕事をしていると年数回やって来る「ココロ躍る瞬間」。中でもPOTPURRIとの出会いは特別なものでした。

まるで50年代の北欧の名作を彷彿とさせるPOTPURRIの器。デザイナーの岡見さん自身、大学在学中にStig LindbergやLisa Larsonといった北欧のデザイナーに感銘を受け、卒業後は、大学の恩師がLindbergの弟子だった縁でスウェーデンに渡り、陶器メーカーを訪れます。スウェーデンのもの作りを学ぶ中で、現地の仲間に「日本のは、陶磁器の技術も土も素晴らしい」と言われたことをきっかけに、日本の技術の素晴らしさを再認識。日本で陶磁器デザイナーになることを決意して帰国をします。帰国後は、美濃焼(岐阜)の産地の陶磁器メーカーに入り、日本での量産の背景とマーケットを学んだ後、独立。POTPURRIを立ち上げたのです。


「お気に入りだから毎日使いたい!」
〝MADE IN JAPAN″だから実現できる「デザイン×機能性」

岡見さんのもの作りは、思い描いたデザインをサンプルとして形にすることからスタート。デザインと使い勝手のバランスを考えながら量産する工程を考え、デザインを実現できる土を探し、職人さんを探します。長いものだと土探しだけで一年がかりだとか。

「器を作る上で、使い勝手とデザインは同じくらい大切にしている」という岡見さん。

「器は毎日使うものだから使い勝手の良いものを」と、現代の生活では切っても切り離せない電子レンジ、食器洗浄乾燥機に対応し、持ちやすい形状、重さ、長く使える耐久性にもこだわります。

素敵なデザインの器は世の中にたくさんあります。でも、使い勝手はどうでしょう。

お気に入りの器を買って毎日使っていて、電子レンジに入れて割ってしまった時の悲しさ……。「お気に入りだからこそ毎日たくさん使いたい」そんなリクエストにPOTPURRIの器は応えてくれます。
「デザインと機能性」の両立は、日本の土と日本の職人の技術があるから実現できると岡見さんは言います。POTPURRIの器は、世界一の陶磁器の技術を持つ日本でしか作ることが出来ない、日本が世界に誇るMADE IN JAPANなのです。


「たくさん使ってほしい」と岡見さん。
CRAFT(手仕事)×PRODUCT(工業製品)の新しい形。

POTPURRIの器は、手仕事のような温かみのあるデザインであり、普段使いできる使い勝手の良さを持ち合わせています。そして量産の背景を持つからこそ、無理なく手の届く価格で多くの人が手にできるというのも大きな魅力ではないでしょうか。

北欧のヴィンテージ食器のような佇まいを持ちながらも、そこに機能性をプラスして現代の生活に寄り添う器。「たくさん使って欲しい。いつも使う人の身近にいて欲しい」という岡見さんの想いをのせて、更にたくさんの人を笑顔にしてくれるでしょう。


POTPURRI×リンネルの器を作りました

「クラリネ」のオープン記念して、POTPURRIさんにリンネル別注の器を作っていただきました。リンネルからのリクエストを詰め込んで出来上がった、可愛い柄の花器3種類とプレート。なんと!全てデザイナーの岡見さんのハンドドローイング(手描き)で、1つ1つ表情の違う世界にたった一つしかない器です。ぜひ、ご自宅でそのあたたかみに触れてみてください。

撮影/千葉亜津子


「POTPURRI×リンネル」別注アイテム詳細はこちら

【デイリーワイン入門】 ワインをもっとおいしくしてくれるグラス

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すっかり秋も深まって、晩酌にゆっくりワインでも飲みたい気分のkuraline編集部員。
ボジョレーヌーボー解禁(2015年は11月19日!)も楽しみです。
価格抑えめデイリーワインでも、ワインにあったグラスを選べばおいしさをもっと引き出してくれる、そう聞いてワインに詳しい料理家の真藤舞衣子さんを訪ねました。
難しいことは抜きの「デイリーワイン入門 グラス選び編」です。

 

今日の先生 真藤舞衣子さん(料理家)

東京生まれ東京育ちですが、醸造家の旦那様と結婚され山梨県山梨市に移住。
120本入るワインセラーが唯一の嫁入り道具、というワインとおいしいものをこよなく愛する酒豪さんです。

 

特別なグラスでなくて大丈夫。
でも、薄いほうが口当たりがよくおいしくいただけます。

ワインのためのグラスは、産地やぶどうの品種によって変えるもの、といわれていますが、家庭で楽しむのならたくさんグラスをそろえるより、見た目と機能性を兼ね備えたものを選んでもいいのでは?と真藤さん。
今日は、真藤さんが実際に家でも経営するレストランでも愛用しているグラス3種類をお持ちいただきました。


1 ステム付きでもカジュアルに使えます。
  いつもの食卓がちょっといい感じに

サヴァ 15ozビール/ワイン(木村硝子店)

 

この口の薄さが好き、と真藤さん。
上質なワイングラスとなると家庭で使うには肩肘をはってしまうけれど、日常で少しいいグラス使いたいな、というときにはこのサヴァがおすすめとか。
「通常のワイングラスに比べて、少しステムが短いんですよね。このバランス感がカジュアルに使える気がします」。
赤ワイン、白ワイン問わずおいしくいただけます。

口径64mm 最大径 90mm 高さ170mm/\4,500

もともとは香りを楽しむタイプのビール用に、と作られたサヴァ。口がすぼまってから開いているので香りが立ちやすいとか。「ワイン、ビールと兼用にしています」


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2 赤ワインが好きな方に。
  和の食卓にも合うステムなしタイプ

うすはり ボルドー(松徳硝子株式会社)

 

二つ目は、ステムのないボルドー型グラス。
「ボルドー型というのは、フランスのボルドー地方の重厚なワインをいただくための定番の形なんです。ボルドーにとらわれず、いろいろなワインやビールを飲むにも形もコロンとしていて、和の食卓にも合うかなあと。ハイボールや焼酎をこれで飲むことも」

口径57mm 高さ95mm/\1,600

グラスの形だけでなく薄さにも注目。唇に触れるグラスの感触は重要なポイントです。こちらはスッと入るなめらかな口当たりの良さを感じられます。


3 ウォーターグラスとしてだけじゃない。
  デュラレックスでワインは定番です

デュラレックス ピカルディ 1130(木村硝子店)

 

フランス生まれのデュラレックス。ウォーターグラスとして家庭でもおなじみではないでしょうか。
実は、フランスの食堂でもワインを飲むのによく使われているとか。
「口の開きも大きいし、ガラスも分厚い。おいしいワインのためのグラスの条件をまったく満たさないはずなんですが、ぽってりした飲み口が意外においしく飲めるんです(笑)。強化ガラスで丈夫ですし、冷蔵庫で冷やしておいてもいいですね」

口径90mm 高さ94mm/\450 

丈夫でスタッキングできるので、ワインピクニック用にしても。「外でワイワイとリーズナブルなワインを飲むときに、楽しく飲めてしまうのがこのデュラレックスなんですよね」

 

まとめ

「ワインとグラスの相性って難しいんです。あまり気にしないで、いろんなグラスを試してみてください。それに、グラスに注いでからも味がどんどん変化するので、秋の夜長、ゆっくり晩酌を楽しんでくださいね」


<おまけ>

白ワインにあう一皿
ドライフィグとナッツの白和え バルサミコソース

「今日飲んだ白ワインは甲州という日本の品種を使ったワイン。だからなのか、しょうゆベースの和食と合うんです。樽で発酵して少し独特の風味があるものはナッツとも合う。ナッツの白和えと合わせると、意外なほどおいしいですよ。最後に少しバルサミコソースを垂らしていただきましょう」

 
材料(2人分)

ドライフィグ 4つ
ローストナッツミックス ひとつかみ
絹ごし豆腐 1/2丁(150g)
白ごまペースト 大さじ1
はちみつ 大さじ1
塩 ひとつまみ
薄口しょう油 大さじ1 
バルサミコ 適量

<作り方>
  1. 絹ごし豆腐はペーパータオルに包んでざるにおき、しっかりと水切りする。一晩おくとしっかりきれます。ドライフィグは紅茶やブランデーなどで戻しておきます。
  2. 豆腐と白ごまペースト、はちみつ、塩、薄口醤油をフードプロセッサーまたはすり鉢ですり混ぜる。
  3. 戻したドライフィグを食べやすい大きさにさいて、ナッツと②をさっと和えます。盛り付けて、好みでバルサミコをかける。

 

赤ワインにあう一皿
鶏のゴルゴンゾーラフリカッセ

「赤ワインには、土の香りがするきのこが合うんですよ。しいたけ、まいたけ、ひらたけ、ブラウンマッシュルームなど旨味が強いものを。ホクホクの栗も食感のアクセントに。むくのが面倒なら天津甘栗でもいいですよ。最後に、ゴルゴンゾーラチーズを少し溶かして濃厚なコクを」

 

材料:2人分 

鶏もも肉 1枚
栗(なければ甘栗で) 100g
きのこ(舞茸など好みで) 2〜3パック分
にんにく 1片

ゴルゴンゾーラ 20g
生クリーム 大さじ2
白ワイン 50ml
ローリエ 1枚
塩 適量
こしょう 適量
オリーブオイル 大さじ1

<作り方>
  1. 鶏もも肉は一口大に切り、栗は皮をむいて下茹で、舞茸はさいておきます。
  2. 熱したフライパンにオリーブオイル大1を入れ、一口大に切った鶏むね肉を皮を下に並べ中火の弱火で皮目をじっくり焼き返したらローリエと栗ときのこを入れてサッと炒め、生クリームと白ワインを入れて軽く煮込みます。
  3. 水分が少なくなったら、ゴルゴンゾーラを入れて絡め、塩こしょうをしてできあがりです。(栗がなければさつまいもなどで代用してください)

取材・文/高橋紡
写真/萬田康文

撮影協力/
木村硝子店 03-3834-1781  glas.jp
松徳硝子株式会社 03-3625-3511 http://www.stglass.co.jp

暮らし上手さんの憧れキッチン

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vol.1 福田春美さん(ブランディングディレクター) -後編-

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福田さんの愛用調理道具

グローバルの包丁一式

大きな魚もさっさとさばいてしまう福田さんの愛用包丁は「グローバル」。
刃物で知られる新潟県燕市のメーカーです。「柄も刃もステンレスの一体型で衛生的ですよ」。砥石を使って定期的な手入れも欠かさないとか。右から、ペティナイフ、文化包丁、菜切り包丁、小出刃包丁、カービングナイフ。ボウルやバットは、業務用。

 

木製のカッティングボード

「まな板として。また、チーズやパン、果物を盛るプレートと本当に便利!」と、朝食やホームパーティーによく使う木製のカッティングボード。一番上から、マンゴーウッドのボードはステンレスの持ち手でつかみやすい。自然な曲線の木目のものは、スペイン・アンダルシア地方のオリーブ製。「3世代続くオリーブ畑の方が1枚1枚作っているんです。オリーブは丈夫な木。長く使うためにも週に1度は熱湯消毒して干しています」。

 

サービングスプーン

水牛の角から作られたもの、韓国の真鍮スプーン“スッカラ”、メープルの木を彫って作ったNYの「Blackcreek」のものなど大きなサイズのスプーンが好きでいつしかこんなに集まったそう。「鍋をかき混ぜたり、料理を取り分けたり。そして造形が美しく見ているだけでも楽しい」。

 

始末のいいキッチンのための道具

こし器

食材を無駄にしないようにと、魚のアラに塩と酒をふってたっぷりのお湯で出汁をとることを習慣にしている福田さん。ザルを使っていましたが、最近旅したアメリカのアンティークショップで見つけたのが、この三本足のこし器。こした出汁はジップロックにいれて冷凍を。手にはめているのは、「PUEBCO」のコットンミトン。軍手のようなデザインでくったりした質感がかわいい。パイピングは黒以外に赤色もあり。

 

チャンパーポット

使い終わったクロス、ふきんは必ずざっと洗ってから熱湯消毒するのが日課。自らディレクターを務める「CorteLargo」のチャンパーポットで、数分煮沸したのち、洗濯機に放り込みます。ちなみにチャンパーポットとは、もともとはおまるのことだとか! 鍋の代わりや鉢カバーにもなります。


私の勝負めし 「パエリア」

福田さんの得意料理はというと、パエリア。
「これには深いわけがあって。実家が魚市場のそばでしょう。市場の方が売れ残った魚を“2番目の姉ちゃんに送ってやってくれよ”と置いていくんですって。すると親が送ってきてくれるんですよ、大量の魚を」

海老やイカ、たらこや筋子……。季節ごとの旬の魚が段ボールで月に1回、多い時で2〜3回も届くとか。
「ひとりで暮らしていると食べ切れませんよね(笑)。でも、捨てたくないからなんとしてでも食べようと。そこでさばいて料理しているうちに、エビの頭とカラで出汁もとってパエリアを作るようになったんです」

魚のアラも入った出汁は絶品で、魚と野菜を組み合わせて季節ごとにいろんな味にできる!というほどの、パエリアマスターに。
「食材を無駄にしたくないんですよね。全部感謝して食べ切りたい。
それができると、なんだか自分の仕事の質もあがるような気がします」。

 

<作り方メモ>

「秋刀魚は3枚に開き骨を取り、塩をふって10分ほどおきます。その間に、パエリア鍋にオリーブオイルをニンニクで香りづけして、水分をふいた秋刀魚を皮目から焼き、皮に焼き目がついたら取り出します。こうすると皮がはがれないんですよ! 無洗米を入れて2分炒めて、フュメドポワソン(魚のアラで取った出汁)にサフランを浮かべて色付けしておいたスープを流し入れます。お米に対して3倍くらいかな? 少しずつ入れながら、スープをお米に吸わせていきます。大体スープを吸ったら、お米を平らにして焼いた秋刀魚と輪切りにしたミニトマトを並べてアルミホイルをかぶせて、パエリア鍋を回しながら20分、弱火で炊き上げます。回す理由は、パエリア鍋と日本のコンロがなかなか合わず火の通りがなんだかムラがあって。フランス人の友人に聞いたら、回しながら作るといいよって。最後、10秒ほど強火にしてから火をとめて、15分蒸らしてできあがり。レモンを絞って食べると、さっぱりして脂ののった秋刀魚とあいますよ」。


福田さんにとって、キッチンとは?

「自分でデザインしたキッチン道具の使い勝手を試したり、旅先で出会った食材や調味料をいろいろ試したり。朝起きてから、今日の体調や気持ちに耳を澄ましてチューニングするのも、お湯を飲みながらキッチンで。仕事もキッチンのテーブルでしているので、私にとってキッチンは「実験の場」かな」。

 

写真/永田智恵
取材・文/高橋紡

まじめな冷えとり、まじめな布ナプキン

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薬効手染のアルデバランのアイテムを編集部が試しました!

kuraline商品の中でも、ひときわ個性を放つアルデバランの「薬効手染」ラインナップ。布ナプキン初心者のライターさくまと、冷えとり女子の編集ささき。それぞれ薬効手染めのアイテムを体験!
みなさまに、使い心地のよさをレポートさせていただきます。

 

そもそも、薬効手染って、どんなもの?

草木の染料を使って布を染めることを草木染めといいますが、アルデバランの場合、草木の色をただ単に染めているということではないそう。草木の持つ自然界のエネルギーを排毒作用のあるシルクに丁寧に手染めしていくこと。それを「薬効手染」と呼んでいます。

薬草は古くから治療薬として使われ、人々の健康を支えてきました。そんな自然のパワーを、灰汁や米酢、木酢鉄の力を借りて行うのが薬効手染め。天然の恵みがいっぱいの体が喜ぶ染物なのです。

薬効手染によるおもな植物

<あかね─浄血・保温>
昔から腰巻きを染める材料として使われている。

<よもぎ─血液循環や新陳代謝の活性>
古来から女性病の生薬として使われている。

<びわ─排毒>
万病に効く薬と言われ、お寺によく植えられていた。

<うこん─整腸>
消化器系に働きます。

「草木によって、それぞれ身体で感じる効果が変わってくるのですね。初めて知りました。アルデバランの布ナプキンは、茜、よもぎ、びわの3種類。自分の体と会話して、自分に合った植物で染められたものを使ってみたくなりました」(ライターさくま)

 

きっかけは、妻ふみさんの体調不良から

アルデバラン主宰の中村さん。その奥さま・ふみさんの体調不良が、薬効手染めの原点でした。

さくま アルデバランの商品は、すべてふみさんがそのコンセプトと染め方の基礎を作られたそうですが、そもそも草木染めをはじめたきっかけはなんですか?

ふみ 中学の時、「草木染め」という一冊の本を手に入れました。その本を夢中になって読んで、染めというものに興味を持ったのです。それから大人になって、倉敷民芸館の中にある染め織り研究所で1年間、草木染めの勉強をしました。

さくま 冷えとりの靴下や布ナプキンに薬効手染めを取り入れたのはなぜですか?

ふみ 私は子供の頃から化学染料や化学繊維が肌に合わず、Tシャツやセーターが肌に触れただけで肌に刺激を感じていました。そんな体質を改善したいと思っていたところ、冷え取り健康法に出会ったのです。実践していくうちに、体質が改善されていき、シルクのよさを知りました。そして、身をもって肌に直接触れる「衣」の大切さを感じたんです。それからもっと元気になるためには、どうしたらいいのだろうと考えるように。そこで、植物の薬効を利用した草木染めで、身体が喜ぶ染めを作ろうと思いたち、まず、靴下を染めてみよう!とやってみた。そしたらこれがすごくよかったんです。

さくま アルデバランの商品は、茜、よもぎなど色々な植物の染めがありますよね。

ふみ 色々な植物を染めてみて、植物が違うと温かさや心地よさに違いがあることに気がつきました。ソックスなど染めによって穴の開く位置が違ったり。ああ、それが植物のエネルギーの違いで、身体への働きかけも違うのだなとわかったんです。


アルデバランの冷えとりソックスは、草木の力で
とにかくあたたかい!

ささき 冷え取りソックスセットの1枚目は薬効手染ですね。

ふみ そうですね。直接肌に触れるシルクの靴下に草木染めを使うことにより、薬効の効能も期待できます。

ささき 私は、茜が1枚目の重ねばきセットを履いてみたのですが、ほかのブランドの冷え取り靴下を履いているときよりも、とにかく温かかったです。履いていくうちに染め色が抜けてきたり、穴があいたりすることがあると聞いたのですが。

ふみ 足裏は全身のツボが集まっている第二の心臓といわれ、身体の毒素を出す出口なんです。人によって、穴が開く場所も違ってきますが、それは身体の毒素が流れ出している証拠。身体が健康に近づいているといううれしい知らせだと思ってください。

ささき 薬効手染のものを身につけることは、自分の身体を見つめるきっかけになりそうですね~。


アルデバランの布ナプキンをはじめてみる!

布ナプキンを使うと、色々ないいことがあるみたい。「長年悩まされていた生理痛が和らいだ」「紙ナプキンをつけているときのムレやかゆみ、いやな匂いがない」「生理中のイライラがなくなった」「ゴミが出ないのがうれしい」など、アルデバランの布ナプキンを使った方から、うれしい感想が続々と寄せられているそう。一切化学物質を使わない、薬効手染による天然の布が肌に触れる心地よさを、私も体験してみました。(さくま)

アルデバランの布ナプキンのひみつ

・シルクの布ナプキン

シルク面を肌にあてると、シルクが毒素を吸収し、放出します。

・コットンネルの布ナプキン

シルク布ナプキンと併用して、経血を止めに。

シルクとネルを重ねて使うことで、絹と綿を重ねばきしていく冷え取り健康法と同じ仕組みに。より効果的に多くの毒素が吸収・放出できるのです。

 

布ナプキンのベーシックな使い方を聞きました

経血の量や生活スタイルに合わせて、いろいろな使い方ができるアルデバランの布ナプキン。初めてという方は、まずはこの使い方を試して!

 

<必要なもの(例:生理日の日中)>

・シルク小判(写真 左)
・ネル小判(写真 真ん中)
・防水布入りアンダーホルダー(写真 右)

 

【STEP1】
シルクとネルを重ねる

シルク布ナプキンとネル布ナプキンを重ねます。シルクが肌に触れるように折りたたむことで、身体の排毒を促し、ネル布ナプキンがしっかりと経血を吸収します。

ネル小判(内側)…しっかりと経血を吸収します
シルク(外側)…身体の解毒を肌から促します

 

【STEP2】
ナプキンを折りたたむ

重ねたシルク小判とネル小判を三つ折りにします。排毒効果を高めるため、シルクが肌に触れるように折りたたみましょう(A)。シルク大判とネル大判を使うときは、四つ折りに(B)。

A.重ねたシルク小判とネル小判を三つ折り

B.重ねたシルク大判とネル大判を四つ折り

 

【STEP3】
折りたたんだ布ナプキンをアンダーホルダーのコットンテープに差し込んで、ショーツへセットします。

Q:経血がついたときはどうするの?

肌に触れていた面だけに経血がついている場合は、新しいナプキンに替えなくてもOK。三つ折りにしている左右の面を入れ替えて。大判を4つ折りにしている場合は、Z状にたたみ直しましょう。新しい布ナプキンに替えるときは、折った状態でポーチに用意しておくと、外出先で取り替えるときに便利です。

 

用途に合わせて、いろいろなタイプがあります!

普通の日

シルク小判
ネル小判
アンダーホルダー

多い日

シルク大判
ネル大判
アンダーホルダー

生理の日の夜

・夜用三つ折りナプキン
・夜用ネルパッド
・夜用アンダーホルダー

少なめのとき&おりものをカバーしたいとき

シルクライナー


ライターさくま、編集ささきが質問!教えて中村さん!
布ナプキンQ&A

 

Q 布ナプって、モレないの?

さくま 布ナプキンって、モレが心配で……。

中村 最初から完璧に使わなくても大丈夫。モレが心配な場合は、折りたたんだ布ナプキンを紙ナプキンの上に重ねるところから始めてみましょう。自宅でゆっくり過ごせるときに、シルクとネルの布ナプキンをアンダーホルダーにセットして、使い心地を試してみるのもおすすめ。

さくま つけた状態で動くと、ずれたりしないんですか?

中村 アンダーホルダーにリボン留めがついているので、ホールド力はしっかりしています。布ナプキンを4重、5重に折っていて肌とナプキンの間に隙間が少ないので、モレの心配はありません。

 

Q 洗濯の仕方を教えてください。

中村 シルクを傷めないよう、アルカリの強すぎない純石けんで洗うのがおすすめ。合成界面活性剤入り、酸素系、漂白剤や柔軟剤入りの洗剤は、せっかく化学物質を無しにして排毒を考えているものなのでなるべく避けたほうが。熱いお湯で洗うと血液が凝固してしまうので、水かぬるま湯ですすぎ、洗い終わったら、風通しのよい場所で陰干しを。

ささき では、アルカリウォッシュはアルデバランの場合、ダメなんですか?

中村 少量であれば問題ありません。

さくま 布ナプキンを使い続けていると、部分的に色が抜けてきましたが、これは?

中村 肌に触れている部分の染めの色が白く抜けたり、薄くなることがあります。これはシルク成分や薬効成分によって身体の排毒が順調に進んでいる証拠。落ちないシミや色抜けは、おおらかな気持ちで受けとめてください。

 

Q 替え終わった布ナプキンって?

さくま どうやって持ち歩けばいいですか?

中村 経血は乾くと落ちにくくなってしまいます。小さなスプレーボトルに水を入れておき、経血のついた部分に吹きかけて。その後、ジッパーのついたビニール袋や密閉ケースに入れて持ち歩くと便利です。

さくま におったりしないですか?

中村 もし気になる場合は、スプレーボトルに、水とティーツリーなど殺菌作用のあるエッセンシャルオイルを数滴入れておき、使用後に吹きかけておく。香りもよくておすすめです。

 

Q ライナーも使ったほうがいいのですか?

さくま 布ナプキン初心者は、生理日以外のおりもの用のライナーから、取り入れるのもよさそうですね。

中村 そうですね。ご自身の心身の為に布ナプキンは是非使ってほしいのですが、生理以外の日に使うライナーも大事です。最近ではライナーを24時間つけている方も多いと聞きます。ケミカルを24時間使い続けることの害はあまり意識されていませんが、その影響は大きいと思います。特に婦人科周りで重い症状がある方は、生理を整え迎える準備としてもシルクのライナーをぜひ使っていただきたいです。


アルデバランの布ナプキン&ソックス体験談!

快適なつけ心地に感激!
身体によいことを実感しています

「PMS(月経前症候群)がひどく、生理前からいつも憂鬱な気分に。生理中も痛みがひどく、滅入りがちな日が続いていました。なんとか緩和できないものかと思っていたところ、生理痛が和らぐと聞き、布ナプキンを試してみました。はじめはモレが心配で抵抗があったのですが、はじめて使ったときの心地よさに感動! 最初は1日自宅にいるときに使ってみて、徐々に使う頻度を増やしていったので、無理なく慣れることができました。最近は、痛みも和らいできたように感じています。化学物質を使わないノンケミカルにこだわっている部分も安心です」。(さくま)

冷えとり、布ナプ経験をしているからこそわかる! 「とにかく、あたたか~い」

「冷え取り靴下歴は、ムラはありつつ約15年くらい。これと決めているブランドさんから買い続けていましたが、絹の1枚目など、穴があくのがとにかく早くて正直おサイフ事情も大変…と思っていました。アルデバランさんの薬効手染めの靴下は、かなり持ちがいいんです。今回中村さんに聞いたら、草木が布を強くしてくれているそう。そして何より驚くのはその温かさ! これは特に冷えとり経験者さんほど体験してもらいたいです。布ナプ歴は4年ほど。最初は色々なブランドさんを試しましたが、今はアルデバランで落ち着いています。肌さわりが気持ちいいのと、ニオイが気にならなくなったこと。そして何よりおまたが温かい(笑)。39歳で第一子を授かったのもこれら温活のおかげかしらと思っているほど。モレが気になる人は、お尻にきゅっと布ナプを挟む感じで装着すると意外とモレないですよ(笑)」(ささき)

 

アルデバランの商品一覧はこちら

 

Tiny N主宰/花生師 岡本典子さん×リンネル <別注・限定>お正月リースが登場します!

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雑誌や広告、店舗の空間スタイリングなどで活躍中の岡本典子さんが、
kuralineのために、お正月リースを作ってくださいました!
色合いは全部で3種類。ピンク系黄系茶系からお選びいただけます。

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ベーシックなリースを鮮やかに彩っている実や葉の多くは、
岡本さん自身が、生花を仕入れてドライに仕上げたもの。
それをひとつひとつ丁寧に、愛情をこめて生けていきます。

「どの実や葉も主役。ひとつひとつがかわいい。」
と愛おしそうに話す岡本さんの手にかかると、
バラバラだった実や葉が、見事なバランスで作品へと変わっていきます。

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ドライのリースは、日持ちするのがうれしいところ。
クリスマスから飾ってお正月まで、なんてことも可能です。

私は以前、岡本さんのリースを購入したことがありますが、
何度も季節をまたぎ、今も飾ってたのしんでいます。
もちろん長く飾っていると、実が落ちてくることもありますが、それもご愛嬌。
そのままでもいいのですが、
「実をグルーガンや木工用ボンドでまた付けてあげてもいいし、
好きなドライを自分で追加してあげてもいいかもしれませんね」
という岡本さんの言葉に影響されて、(面倒くさがり屋の私ですが、)
気まぐれに手をかけつつ、かわいがっています。

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さあ、みなさんはどこに飾りますか?
飾る場所を考えるのも楽しいものです。
玄関やリビングの壁に飾ったり、下駄箱の上に置いたり。
透明なガラスドームの中に入れて飾っても素敵です!

室内の乾燥した、直射日光のあまりあたらない場所に飾ると、
ぐんと持ちがよくなるそうですが、
水をあげる必要もありませんし手間もかかりません。
ラクして素敵、が実現できる岡本さんのお正月リース。
みなさんもぜひ、飾ってみてくださいね。

 

【予約】岡本典子×リンネル/お正月リース ピンク系
【予約】岡本典子×リンネル/お正月リース 黄系
【予約】岡本典子×リンネル/お正月リース 茶系
各4,212円(税込)

 

撮影/吉岡真理
文/kuraline

暮らし上手さんの憧れキッチン vol.2

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家の中でも特にキッチンには、暮らす人の趣向、工夫、
そして物語がつまっているように思います。
使いやすいようにどんな工夫をしているの?
どんなふうに過ごして、どんなごはんを食べているの?
いろいろなキッチンをリレー形式でめぐり、
暮らす人の「作って食べる」に隠れた物語をうかがいます。

キッチンリレーVol.1で、福田春美さんが「日本じゃないような空気が流れているの。あの空間は憧れます」と紹介してくれたのは、目黒でアンティーク家具店を営む栗又貴美さんでした。

 

vol.2 栗又貴美さん(ジーペンクォーデザイナー) 

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建築50年のヴィンテージマンションの1階を改装して暮らす。壁を剥がしはじめたところ、「絵画みたいできれいだったからそのままにしています」。この美意識と力の抜け加減のバランスが栗又さんらしい。

 

“西洋から見た日本”。独特な空気が流れるキッチン

今回、おとずれたのは目黒碑文谷にある家具店「jipenquo」(ジーペンクォ)。
日本を中心とした古い家具、道具を扱い、店舗や住宅の内装デザインも手がける店ですが、「KOUSEI WERKSTATT」(コウセイ ヴィアクシュタット)といったほうがピンとくる方が多いかもしれません。
「ちょっと前に店名を変えたんです。Jipenquoは、ヨーロッパに伝わったジパングの元になった発音を単語でしたものです」
と、栗又貴美さん。
西洋から見た日本。そんなキーワードは、栗又さん宅のキッチンにも見え隠れしています。

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窓辺には天へと伸びる姿がきれいな植物ばかりを選んで。

 

今の家の形は、意図せずしてできたもの

夫の崇信さんとふたりでアンティークの家具店をはじめたのが10年前。
店舗と住居を兼ねられる場所を探していて、見つけたのが1964年竣工の集合住宅の1階でした。
「この部屋は以前、設計事務所や専門学校が入っていたんです。普通の事務所仕様の内装でしたし、きれいでもなかった。自分たちで改装をしたんです。今でこそリノベーションの仕事をしていますが、当時はまだ実績もないから試行錯誤で(笑)」
フロアの半分は店舗と工房、もう半分は自宅に。スペースが限られるため、自宅としてもうける部屋はキッチンとバスルームに大きな比重を置いて進めたそう。

それにしても、日本の住宅の常識をぽんと飛び越えていてかっこいいキッチン。ジャンクな空間に東洋のエッセンスがあり、とうてい真似できないような空間ですが、お話を聞くと偶然の産物だそう。
誰もが目を奪われる印象的なキッチンの壁は、「壁を塗ろうと途中まではがしたら、その様子が絵画みたいできれいで。このままにしようよ、って、そのまま棚もつけちゃった」。ガスコンロが一体化された大きなテーブルは、「急に大勢遊びに来て料理してくれるっていうから、慌てて1日で作っただけなの。材料はヒノキでいいものを使ったんだけど、もう少しなんとかしたい。でも、もう長く使っているし、これでもいいかな」
……なんという力の抜け具合! デザイナーとしてこうしたいという意図や美意識はあるけれど、頑なではなく臨機応変。こうした自由さが、家に流れる独特な空気の理由なのでしょう。

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テーブルの中央に置かれた頻繁に使う器たち。日本食に良く映える、中国や日本の古いものが多い。

 

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シュンシュンと湯気をたてるせいろ。ガスコンロをよく見ると円形の4つ口。

 

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自作の棚は、栗又家に必要なものがパーフェクトに収納され、生活感がありながらも洗練されている。

 

家族4人の食べて眠る生活の場所

小学生ふたりの母でもある栗又さん。夕方には夫婦ふたりとも仕事を切り上げて子供の宿題を見ながら料理をし、6時には家族4人で食卓を囲みます。
「4人で座るというより、私は立って料理をしながら。だから椅子は小さい丸イス(笑)」
大皿から取り分けるのではなく、ひとりずつ席の前に置かれた漆のお盆に、小皿に盛られたおかずが何品も並びます。
「盛り付けるのが好きなんですよね」

食事の後は、食卓で話をしながらゆっくり過ごし、そのまま子供達と早く寝て、忙しいときは夜中に起きてまた仕事をするとか。撮影スタジオとしても使われるようなかっこいいキッチンですが、家族の胃袋を守るあたたかな場所としてちゃんとその役目を果たしているところが素敵です。
しかし、最近小5の長男君に異変が…。
「こんな家、いやだというようになったの。お友達のおうちをみてなんかうちと違うぞ、と(笑)」

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ちゃんとした手順を知りたい、と料理本は、正統派な家庭料理のみ参考にする。そのうえで、手順を簡単にするのは自分で考えたい、と栗又さん。

 

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象の鼻の形をしたフックには、お嬢さんのお出かけ用の小さなバッグ。スパンコール、ビーズがあしらわれクラシカルでかわいい。「骨董市で買いました」

 

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テーブルにはお子さんによる落書きが!!「全然、気にしないの」


古いものでも、キッチンで十分使えます

磁器の重箱はタッパー代わりに

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惣菜を作り置きして重箱に。「重ねて冷蔵庫で場所をとらないし、そのままテーブルに出せる。とても便利でしょう」。

中国清朝の椅子が特等席

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食卓で栗又さん夫妻が座るのは、中国清朝時代に作られた椅子。「100年はたっていると思うんだけど、作り方が頑丈できしみすらしない。座った感じもいいですよ」(崇信さん)

製茶問屋の茶壺を米びつに

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小さな椅子くらいの大きさがあり、かなりの存在感を放つ茶壺。ふたをあけると、なんと米が。底まで入っていると思いきや、口の部分に小さな筒がはめてあり、米びつとしてちょうどいいサイズ感。でも、ちょっと驚きました!


私の勝負めし「中華ちまき」

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よく人が遊びにくるという栗又家。20人以上大人も子供も集まって、キッチンテーブルの周囲は角打ち状態。夫婦そろって和食好きなため、勝負めしも季節の食材を取り入れたちまき。時間に余裕があるときは竹の皮でつつみせいろで蒸し、人数が多い場合は炊飯器で炊き上げます。

作り方メモ

「干し椎茸と餅米は水に付けておきます。餅米は半日ほどでしょうか。
豚バラ、人参、タケノ、うずら、干しえびなど具材は好きなものをいれてください。具材は1センチより小さめに切ります。飾りたいものはそのままの形で。
具材を油で炒めたら、紹興酒、砂糖、オイスターソース、醤油、干し椎茸の出汁、中華用出汁で炒め煮し、さらに水をよく切った餅米を加え水分が無くなるまで炒めます。その時に八角を入れると香りよくし上がります。炒め終わったら出してくださいね。水分がなくなったら竹の革に包み蒸篭で20分ほど蒸してきであがりです」

 

栗又さんにとってキッチンとは?

「いつもいる場所。家族の場所。私たちの自宅のキッチンを見て、家を改装してほしいという最初のお願いをいただいたんです。そういう意味では、はじまりの場所でもあるのかな」

 

写真/永田智恵
取材 文/高橋紡

 


クラリネがおすすめするクリスマスギフト

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もうすぐクリスマス。
家族や恋人、友達など、大切な人の笑顔を思い浮かべながら、何をプレゼントしようか考えるだけでわくわくしますね。


しかし、今年のプレゼントは何にしよう…と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そんなみなさまのために、クラリネおすすめのクリスマスギフトをセレクトしてみました。


クリスマスギフト雑貨

お皿やマグカップ、ブランケットやキャンドルホルダーなど、見ているだけでも楽しい雑貨を集めました。
友達とのプレゼント交換や、お世話になった方へのちょっとしたプレゼントにも。

クラリネがおすすめするクリスマスギフト(雑貨)一覧はこちら


クリスマスギフトファッション小物

おしゃれな人にプレゼントしたい、バッグやお財布、ストールなどのファッション小物。
履き心地の良い靴や柔らかな素材が嬉しい靴下など、おしゃれで良いものをたくさん揃えています。

クラリネがおすすめするクリスマスギフト(ファッション小物)一覧はこちら


クリスマスギフトKIDS&BABY

家族で楽しめるカードゲームや、おしゃれな子供服など、お子さまへのプレゼントに。
子供部屋をクリスマスムードに演出してくれるかわいいオーナメントもおすすめです。

クラリネがおすすめするクリスマスギフト(KIDS&BABY)一覧はこちら

ハレの日も、ケの日も。漆塗りの器で、少し背筋が伸びる食卓を

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その端正なたたずまいに、
特別なときに使うものだと捉えてしまいがちな、漆器。
英語で漆器のことを「japan」というほど、
日本人にとって世界に誇れる工芸品であり、
丈夫で、手入れをすれば一生だって使える日用品なんだとか。

知っているようで知らない漆のこと。
どのように生まれるものなのか、
漆の材料であるウルシを採る「漆掻き」であり、
作家でもある猪狩史幸さんを訪ねました。

 

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浄法寺から車で20分。となりの集落である一戸鳥越地区の古い日本家屋で暮らす猪狩さん。工房は納屋を改装していいます。ちなみに鳥越地区は鈴竹のかご細工で知られています。

やってきたのは、岩手県の二戸駅。東京から新幹線で2時間40分。盛岡よりもさらに北に位置する静かな街です。東北らしい低くなだらかな山麓に猪狩さんの工房はありました。
猪狩さんは、福島県のご出身。会社員を経て漆職人になりたくて石川県輪島で漆塗りの勉強をし、ここ浄法寺へ6年前に移住をしました。
でもなぜ、漆塗りの本場、輪島から浄法寺へ?

「それは、自分の手でウルシを採りたかったからなんです」(猪狩さん)

「浄法寺」というと詳しい人なら漆器のことだとわかるほどの漆の産地。輪島塗りも有名ですが、浄法寺塗りだって負けていません。なんといっても、このあたりの縄文時代の遺跡から接着剤として使われていた漆が発見されるほど、古い歴史を持つのです。

器としての起源は、1200年前。東北最古の寺といわれる天台寺が建立され、僧侶たちが自分たちの食事のために作ったといわれています。昔から、良質のウルシの木々に恵まれた浄法寺。今でも純国産の漆の8割が浄法寺のものとか。

「8割、というと多く聞こえますが、質のいい国産漆は値段も高いから国内を流通する漆のほとんどが中国やベトナム産なんです。純粋な国産漆はたった2%、そのなかの8割なので、実はとっても少ない量なんです」

安い海外産の漆を使った漆器が多く売られ、国産漆の物は値段も倍以上。
日常で漆器を使うことも少なくなって、漆掻きを生業とする人も激減しているとか。この長く続いた日本文化の危機的状況に、寺社、仏像など文化財の保護修復には国産漆を使う、という条例ができたそうですが、それでもまだまだ国産漆をめぐる課題は山積み。
「ウルシを採るって単純な作業に見えて難しいんです。僕も6年やってまだまだ。木を傷つけてその樹液を採る訳だから、木をいためないようにしないといけない。国産漆が必要だからって急にはたくさん採れないし、誰でもできる仕事ではないんです」

 

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ウルシの木の幹に傷を付け、染み出た樹液を少しずつ少しずつ集めます。1本の木からわずか200cc採れるだけ。実に、根気がいる作業。集めたウルシは専用の木の桶に入れて寝かせます。とろりと発酵して、なんだかおいしそう? 

ウルシが採れるシーズンは、6月終わりから夏にかけて。木だって生き物。年中、いつでも樹液が採れるわけではないのだそう。借りているというウルシの林を見回り、木の生長を確認し、ウルシを採るべき木を決めて少しずつ傷を付けて採取します。10−15年かけて大きくなった木から、ウルシが採れるのはひと夏だけ。
「だから、計画的な植林と管理が必要なんです」
かぶれないように長袖長ズボン。蒸し暑い夏、天気にも左右されるため過酷で厳しい作業。こんなふうに地道な作業の上にあの美しい漆器が成り立っているのかと思うと、そりゃあ、値段も高くなってしまう、と納得したのでした。

 

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次は、漆を塗る工房を見せていただきました。漆器作りの作業は、陶芸と違って分業することがほとんど。一つの漆器を作るのに、5~6人もの専門の職人の手が必要なんだとか。まずは、刃物とろくろを使って本体となる木地を作る「木地工程」、下地塗りと研ぎを行う「成形工程」、上塗りする「仕上げ工程」、さらに蒔絵や沈金といった加飾を行う「文様・鏡面工程」。何度も何度も下地塗りと上塗りを繰り返すことで丈夫になり、長く使うほどにツヤも。
それぞれに深い専門性があり、それが工芸品といわれるゆえんでもありますが、猪狩さんは木地作り以外はひとりでされています。
呼吸するような漆器を作りたいと、下塗りはせず、上塗りのみ。朱色や黒などの染料も加えず純粋な漆の色だけを塗り重ねているのでうっすらと木地の木目が透けて見える透明感があるしあがりに。

「僕の器は、住んでいるところが浄法寺と距離が近いということもあってか
浄法寺塗りとよく勘違いされるんです。でも、いわゆる浄法寺塗りとは違うんです。
一番分かりやすい違いは、色です。
僕の器は採れたウルシをただ5回塗り重ねているだけなので
ウルシ本来の色味である黒く半透明な質感が特徴で、
使うごとに中の木地が透けて見えてきます。
漆と木の中間のような器を想像していただけると分かりやすいと思います」

 

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だからでしょうか、猪狩さんが作る漆器には重厚さや気取りがまったくなく、毎日でも使えるカジュアルな雰囲気。実際に、食器棚にずらり積み重なった椀やお皿は猪狩家の食卓で、汁椀、飯椀、取り皿、ケーキ皿、と、あ、こんなふうにも使っていいんだと思えるほど自由に登場します。
「なんとなくかしこまった風に思える漆器ですけど、夏の食卓でもあいますし、毎日でも使える生活道具なんですよ」

日本の文化と歴史を持つ漆器。まずは、お正月を機に汁椀をひとつ、手に取ることからはじめてはいかがでしょうか。ハレの日だけでなく、ケの日の食卓もきっと素敵に彩ってくれて、隠れた物語に少し背筋が伸びるような力があるはず。

 

猪狩史幸 漆器/豆皿<箱入り> ¥5,076
猪狩史幸 漆器/正法寺椀 中<箱入り> ¥10,692

 

取材・文 高橋紡
写真 宮濱祐美子

暮らし上手さんの憧れキッチン vol.3

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家の中でも特にキッチンには、暮らす人の趣向、工夫、
そして物語がつまっているように思います。
使いやすいようにどんな工夫をしているの?
どんなふうに過ごして、どんなごはんを食べているの?
いろいろなキッチンをリレー形式でめぐり、
暮らす人の「作って食べる」に隠れた物語をうかがいます。

Vol.1 福田春美さん(ブランディングディレクター)
Vol.2 栗又貴美さん(ジーペンクォーデザイナー)

目黒碑文谷にある家具店「jipenquo」(ジーペンクォ ※以前の店名は「KOUSEI WERKSTATT」でした)デザイナー・栗又貴美さんがつないでくれたのは、
イラストレーターの白尾可奈子さん。
白尾さんが暮らす集合住宅のリフォームを栗又夫妻に依頼したのがご縁。
築31年という集合住宅の古きよき造りを活かして、
モダニズム建築のような、少し重厚感のある雰囲気のキッチンです。

 

Vol.3 白尾可奈子さん(イラストレーター)

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青銅のようなニュアンスのある色のタイルが目を引くキッチン。白と木目の内装のなかで、いいアクセントになっています。

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白尾さんの作品のひとつ。水彩の透明感のあるタッチが白尾さんの持ち味。おだやかで儚げなご本人の雰囲気に似ている!

 

結婚を機に築31年の集合住宅を改装

緑豊かな大きな公園と隣接し、中庭には大きなケヤキが茂る3階建ての集合住宅が白尾さんの住まい。1984年完成というこの住宅は、東京23区内の住宅地にもかかわらず周囲を自然で囲まれたうらやましいロケーションと、ヴィンテージマンションならでは瓦屋根や鉄の門扉など、古き良きデザインを随所に残しています。
ここに住み始めたのは1年ほど前。リフォームを依頼したのが、目黒碑文谷にある「jipenquo」の栗又夫妻。白尾さんの友人が、先に「jipenquo」に頼んでいて、その仕上がりにやるならここで、と決めていたそう。
「とはいえ、他にもリフォームしてくださる会社を見に行っていたんです。でも、栗又さんは私たちのこんなふうにしたい、という希望を汲み取って、さらに素敵なことを提案してくれる。実は、お願いしたあとにマンションが大規模修繕にはいってしまうことがわかって。工期も予定より短かくなってしまったのに、それでも対応していただきました」
予期せずして慌ただしいリフォームとなったけれど、仕上がりは想像を超える満足のいくものでした。

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左・キッチンの左手にはオープンシェルフを。ダボレールで棚板の高さ、位置を自由に変えられるように。食器棚、食材のストック場所、家電置き場を兼ねているので効率よく料理ができる。
右・懐かしいようなデザインの木目調ワゴン。近所の古家具店で見つけ、購入。

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左・リビングからの採光、広く見せるため、そしてなにより玄関から廊下越しにリビングを見たときの景色がきれい、と廊下とLDKを隔てるドアはガラス張りに。
右下・ドアの取っ手は、まるで博物館にあるかのようなモダンなデザイン。
左上・キッチンタイルは青か緑かにしぼって、ネットショップで購入。さまざまなサンプルを取り寄せ比較して今の色に。

 

キッチンは部屋の一部として、溶け込むように

リフォーム前は、リビングの一角で半独立の間取りだったキッチン。LDKを広い空間にしたかったため壁を取り払い、オープンにしました。白尾さん夫婦が栗又さんに伝えた大きな希望は「キッチンが目立つのではなくて部屋の一部として溶け込ませたい。リビングとデザインは統一させたい」と、「壁を木にしたい」の2点。
「壁を木にしたい」とは、60年代のモダニズム建築によく見られるように、木目の壁材を使いたい、ということ。どんな家にしたいか、洋書や雑誌をめくっていたとき夫婦で一致したテイストが、クラシックホテルや美術館、博物館などのロビーで見られるような、少し重厚感のあるインテリア。
「高いのかな?と心配していたんですが、壁紙をはがして塗り直すよりは安くなることがわかって」
ニスでていねいにしあげたラワンベニヤ板が、リビングの壁に貼られ、理想の内装となりましたが、
コストダウンのために壁と天井のクロスを剥がし塗装までの作業は自分たちでやったとか。
「2ヶ月くらいかかったんですが、それがすごく大変だったんです。夫となんだか険悪な空気がただようくらいの厳しい作業でした(笑)」。
キッチンはもともとあったベースを生かして扉まわりの面材を変えたそうですが、最初についていたのはなんと真っ赤な扉。キッチンを目立たせたくないという白尾さんの希望とは真逆の色!そこで、リビングの壁に合わせてキッチンの面材も木目に。

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上・リビングの壁面はもともと鏡が貼られていて、広く見える効果があるかと取り壊さずにそのまま残したとか。タイルをさらに貼ってモダンに。
下・リビングの照明は、栗又さんの提案で客船についている照明をイメージして造作。蛍光灯の周囲を木で囲んだシンプルな作りなのにとても存在感があって、灯りがともると上質なラウンジにいるようで素敵でした。

こうして完成した白尾さん夫婦の新居。共通の友人が多いため、ときには20人もの大所帯が集まることも。キャンプ用のテーブルや椅子を並べてたこ焼きパーティをしたり、近所のごはん屋さんで軽く食べて帰ってきてから、飲みなおしたりパスタをささっとつくったり。おかし作りが得意なご主人が、焼き菓子を作ることもあるとか。
平日はお互いが忙しく夕食も一緒にとれないことが多いけれど、夫婦としての暮らしはまだまだ始まったばかり。この先、キッチンのインテリアやかたちも少しずつかわって、どんどん白尾さん夫婦になじんでいくことでしょう。


愛用品は、友人からの贈り物

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滝澤水瑠(たきざわみずる)さんのチェリー材の皿

薄く手触りのいい木の皿。何枚もあるのは、大学時代の友人である木工作家の滝澤さんに頼んで引出物を作ってもらったそのサンプルだから。どの材がいいか、大きさは?と相談して、右のチェリー材に決まった。幸せな思い出が詰まった皿です。

 

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深澤勇人さんの塗り箸

ざっと10人分はありそうなお箸。どれも、漆塗りで品がいい!これは、来客が多いだろうから、と漆職人の友人、深澤さんが贈ってくれたもの。「金継ぎ図書館 はとや制作所」を主催されています。深澤さんとは同じ大学出身で、かつての仕事仲間。
http://hatoya-f.com


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私の勝負料理「カオマンガイ」

嫁入り道具としてお母様から贈られたのがフィスラーの圧力鍋。煮物を作るのが好き、という娘の食の好みを知ってのセレクトだったのでしょうか。
「どうでしょうか(笑)。お鍋についていたレシピブックにカオマンガイが載っていたんです。カオマンガイは、鶏肉のだしで炊いたごはんでタイやマレージア、シンガポールで食べられている庶民的な料理とか。私たちは夫婦そろってタイ料理好きなんです。家でも作りますし、キャンプ好きな夫が野外でも作るレシピです。鶏肉さえ煮ておけば、キャンプ場であとはお米と一緒に炊くだけなので簡単ですし、見栄えもします」

作り方メモ

「骨つき鶏もも肉を2本、ざっと洗ってからふいて塩をもみ込みます。圧力鍋にしょうがの千切り、ねぎのぶつ切り、2カップほどの水と少しのお酒をとともに15分ほど茹でます。火が通ったら鶏肉だけ取り出して、洗ったお米2カップを圧力鍋に入れましょう。茹で汁にナンプラー、しょうゆを好みで加えて、鶏肉をまたお米の中央に置いてから炊きます。圧力鍋ひとつでできるから簡単なんですよ。炊き上がったら、器に盛って好みでパクチーを添えます。黒胡椒をふってもおいしいですよ」

 

白尾さんにとってキッチンとは?

「家庭を象徴する場所かな、と思います。使い込まれたキッチンには、そこで生活する家族の時間が染み込んだ分、風格があって魅力的。我が家のキッチンもどんなふうに育てていこうか、楽しみにしています」

 

写真/永田智恵
取材・文/高橋紡

クラリネ流 年末のススメ

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クリスマスが終わるともう今年もあとわずか。年賀状を書いて、大掃除をして、買い出しに行き、お節作りと、皆さん年末は何かと忙しくなりますね。
そんな慌ただしい年末が少しだけ素敵に過ごせるアイテムをクラリネがセレクトしました。

 

クラリネ流 大そうじのススメ

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一年の汚れは今年のうちに、とは思うものの寒くてなかなか億劫になりがちな大そうじも素敵な道具があれば楽しく出来そうです。

そうじ道具一覧はこちら

 

クラリネ流 買い替えのススメ

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新年は気持を一新して迎えたいもの。古くなった道具や布モノも買い替えるなら年末のうちに。特に出番の多いカトラリーやお箸、キッチンツールやタオル、フキンなどのキッチン周りの道具や、インナーや靴下類も汚れや痛みが気になります。新しい道具で気持よく1年をスタートしてみてはいかがでしょう。

買い替えキッチン周り一覧はこちら
買い替えインナー靴下一覧はこちら

 

クラリネ流 お正月支度のススメ

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お正月に向けてお節やご馳走の準備やお花を生けたり、いつもお世話になっている方へのご挨拶用のお年賀の準備など。お正月支度におすすめするアイテムを集めました。

お正月支度におすすめ食器&花器一覧はこちら
お年賀におすすめ一覧はこちら

菊池亜希子×リンネル コラボワンピースをネストローブで制作中です

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すっかり作り手の顔になっているあっこちゃん

打ち合わせの場で思いついたら、どんどんラフを描きます

 

旅に出たくなるワンピース、名付けて「またたびワンピ」

菊池亜希子さんとリンネルのコラボワンピースが今、鋭意制作中です。
あっこちゃん自身が、”季節を問わずずっと使えて、旅先で着られるワンピースがあったら便利!”と案を出してくれ、マキシ丈のキャミソールワンピースに決定。リンネル本誌での連載にちなみ、「またたびワンピ」と命名。
キャミソールワンピースなら、冬は薄手のセーターの上からも着られ、夏場暑ければそのまま着用も可能。さらに、マキシ丈なら、ちら見えするボトムスのことを考えなくて済むので、コーディネートも簡単。1枚、旅のバッグに入れて出かければ、大活躍のアイテムになるはず。

生地及びワンピース制作はリンネルでもおなじみのネストローブが引き受けてくれました。「ヨーロッパで育った上質なリネンを使って、ネストローブが丁寧に織り上げたオリジナルのリネン生地です」とプレスの滝口和代さん。滝口さんはあっこちゃんとも友人関係なので、制作もスムース。一緒に良いものを作ろうと、自然と打ち合わせは熱気を帯びます。

 

色は黒とベージュの2色
裾にチラッと反対色が見えるのもポイント

色は万能の黒と、柔らかい印象になるベージュ。ポイントは、やわらかい麻の2重構造。内側の丈がほんの少し長くなっていて、ベースカラーの反対色が裾からチラリ。座ったり、歩く足さばきによってほのかにその色が見えるのが、あっこちゃんのこだわりです。黒ワンピースの裾にはベージュ色、ベージュワンピースの裾からは黒色がチラ見え。女性らしさもここで表現しています。

 

胸もとは付属のバンダナで飾ることも

胸もとは、胸の真ん中にリング状の紐があり、その中を付属のバンダナを適当に細長くし、通して、飾ることもできます。(裏表どちらも着られるので、そのリングが必要なければ、そちらを後ろにしてOK。)バンダナも、黒ワンピースには黒色、ベージュワンピースにはベージュがついてきます。特筆すべきはその柄。よく見ると、猫の顔写真が、散りばめられているのです。しかも1匹だけワカメ(あっこちゃんの愛犬)が混じってる遊び心いっぱいのバンダナ。
フロントの飾りや、セーラーのように後ろに巻くのはもちろん、旅先でちょっと手を洗って拭きたいときに。ベンチに腰掛けたいなと思ったときに。さっと取り出して使えるはず、というあっこちゃんの気遣いがこのバンダナには込められているんです。

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まだ、バンダナにプリントが入る前ですが、こんな風に胸もとを飾ることができます。

 

先着で猫の等身大プリントトートをプレゼント!

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こんな風に等身大の写真をプリントするのはどうかな? さっそくバッグのプリントのラフを書き始めたあっこちゃん

 

バッグの製作風景は次回お届けします。
完成品の写真やあっこちゃんの着用写真もアップしていきますのでお楽しみに~!

 

ナナデェコールのオーガニックコットンで眠りの質をあげる

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ナナデェコール主宰 神田恵実さんインタビュー

ナナデェコールのオーガニックコットンで眠りの質をあげる

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1歳になる女の子のママでもある神田さん。無理なく、心地よくオーガニックコットンを生活に取り入れているライフスタイルは、まさに憧れです。

ナナデェコールの商品一覧はこちら

 

大人の女性に心地よさを届けるナナデェコールの原点

ファッションエディターでもある神田恵実さんが、オーガニックコットンブランド「nanadecor」(ナナデェコール)を立ち上げたのは2005年。きっかけは何だったのでしょう?

神田「当時、編集の仕事を何本も掛け持ちして、とにかく忙しく働く毎日でした。仕事は楽しんでいたのですが、食生活や睡眠時間は不規則。体はいつも疲れていて、人気のマッサージやエステに駆け込んだり、買い物で発散したり。どこか外に癒しを求めていたところがあったんです」

今では、マクロビオティックの食事を取り入れられていたり、心地よい暮らしを実践されている神田さんのお姿を見ていると、意外な過去ですね。

神田「生活意識が変わり始めたのは、ヨガやサーフィンなど新しいことに挑戦してからです。食事をオーガニックなものに変えて体が軽くなる感覚を実感したり、新しい価値観を知るように。そんなとき取材で、オーガニックコットンに触れる機会がありました。初めて触ったとき、その柔らかな肌触りや気持ちよさに感動して、あっという間に虜になったんです。そこからちょうどご縁があって、ナイトドレスを4型作ったのがナナデェコールの始まりです」

 

オーガニックコットンをまとい、体をリセットモードに

ナイトドレスから始まり、ブランド立ち上げからこの10年でアイマスクやタオルなど、多くの人気アイテムが登場しました。改めてオーガニックコットンの良さって?

神田「実際にナナデェコールのナイトドレスを着ることで、私自身、本当に疲れがとれるんです。忙しかった日でも、家に帰ってオーガニックコットンをまとった瞬間、体がゆるくなっていくのが感じられて。以前は、旅先で旅館の浴衣を喜んで着ていたのに、今はどこ行くにもナイトドレス持参するほど。それに、オーガニックコットンは、洗っていくと、どんどんとろけるように柔らかな肌触りになるのが特徴。長く着れば着るほど朽ちていくのではなく、愛着が増していくんですよね。だから、みなさんには、年月をかけてオーガニックコットンの風合いの変化を楽しんでいただきたいです」

ナナデェコールで扱うオーガニックコットンは、どのように選ばれているのでしょう?

神田「オーガニックコットンとは、正確に言うと、3年以上無農薬で育てられた綿花のことを言います。今では、オーガニックコットンをよく目にしますが、肌触りを重視したものや、企業として環境対策に取り組まれたものなど、同じオーガニックでもじつは生地や風合いはさまざまなんです。ナナデェコールの場合、着心地のよさと肌触りを一番に考えているので、できるだけふわっとした素材を厳選して選ぶようにしています」

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ナナデェコールのアイテムは、フェミニンなレースやリボンがあしらわれていたり、どれも女性心をくすぐるほんのり甘さのあるデザイン。

チューリップナイトドレス ¥21,600
スズランワンピース ¥21,600

 

質のよい睡眠で、健康的な美しさを育む

ナナデェコールの人気アイテムの一つにアイマスクがありますね。アイマスクを習慣にしている人は、まだまだ少ないと思いますが。

神田「オーガニックコットンをまとって寝るようになってから、気づかされたことの1つに睡眠の大切さがあります。質のいい睡眠を毎日積み重ねることで、体は健康に、心はポジティブになれると思っています。いろいろ睡眠について学んでいくうちに、質のよい睡眠をとるには、どれだけ深い睡眠をとるかがカギだということを知りました。そして、よりよい睡眠をとるには、入眠時にどれだけ深く眠れるかが大事。だから、自分なりの入眠アイテムを持つことも必要で、私にとってアイマスクはその一つ。アイマスクをすると眠りのスイッチがオンされるように、日々の眠りがぐっと変わりました。アイマスクをすることで熟睡度が高くなり、産後の授乳で睡眠時間が削られていたときも、楽に乗り越えられましたね。」

これがないと眠れないというコレクターの方もいるそう。飛行機などの移動時はもちろん、デイリーに使いたくなります。

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アイマスクはすべて手縫いされたもの。肌に当たる面はすべてオーガニックコットンで、ふわふわの肌触り。目もとが中綿入りでふんわりと温かくなっていき、疲れ目を癒します。

アイマスク ¥3,672

 

締め付けない心地よいブラジャーで、巡りをよくする

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ナナデェコールのブラジャーも人気商品のひとつ。ワイヤー入りが苦手……という人には、うれしいアイテムですね。

神田「背中のホックの内側にもオーガニックコットンを貼っていて、ちくちくするのを防ぐ工夫をしています。肩ひもなど、肌に当たる面はすべてオーガニックコットン。女性にとってのランジェリーは、付ける時間が多い分、体に大きなストレスがかかっているんですよね。とくにブラジャーは心臓に近い大事な部分をいつもワイヤーが密着している状態。胸元を締め付けていると、顔色がくすんだり、肩こりの原因につながることも。できるだけ締め付けず、上半身の血流をよくしていくことに意識を向けることも大事。そして眠るときも日常も、体のめぐりをよくすることでより健康に、美しくなれると思います。ぜひ、今日からオーガニックコットンが肌に触れる暮らしを取り入れてみてください」

NEWコットンシルクブラ ¥9,936
パープルコスメアブラ ¥7,776

 

自分が思っているよりも肌から潜在的に働きかける影響は心身ともに大きいもの。
大人ならではの肌からの癒しを感じてみては。

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ティーサロンも併設するsalon de nanadecor(サロン・ド・ナナデェコール)は、東京・表参道の細い路地にあるフラッグショップ。
一軒家を改装した店内には、オリジナルラインがフルで揃う癒しの空間です。


住所 東京都渋谷区神宮前4-22-11
電話 03-6434-0965
営業 12:00~19:00
定休日 月曜

 

撮影/千葉亜津子
取材/佐久間千絵

岡田崇人さんをたずねて

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大らかな益子の自然に包まれて

年に2度開催される陶器市ですっかり全国的に有名になった、栃木県の静かな山間にある陶芸の町「益子(ましこ)」。空気が澄んで、ゆったりと大らかな空気が流れる魅力的な土地に、陶芸家 岡田崇人(おかだたかひと)さんを訪ねました。

 

岡田さんは、大学卒業後に、人間国宝である陶芸家、島岡達三氏の門下に入り5年間の修行生活を経て、益子の町に自身の窯を開窯。今では全国各地に多くのファンを持つ、益子を代表する陶芸家のひとりです。

 

たっぷりの自然に囲まれた、岡田さんの工房で「器について」「モノづくりについて」お話を伺いました。

 

丁寧にゆっくり、でも美しく

岡田さんの器は、素朴な表情が魅力的な益子の土を使います。
釉薬は、濱田庄司さん、島岡達三さんという益子を代表する陶芸家の方々も行っていた、釉薬のブレンド方法、柄杓合わせ(ひしゃくあわせ)という豪快な手法を用いていると言います。

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伝統的な手法を用いながらも、現代の暮らしに馴染むモダンな器づくりをしている岡田さん。工房では、日々美しい器たちが生まれています。

 

伝統的な技法“掻き落し”をモダンに

ろくろで引いた素地を乾かし、別の色の化粧泥を施し、半乾きになった器に、彫刻刀で文様を彫り、周りを削り落し、文様を浮き上がらせる伝統的な技法“掻き落し(かきおとし)”。
岡田さんの代表作でもある“掻き落し”の器は、修行時代から考えていたという草木をモチーフにした愛らしい文様に、掻き落しの技法を施していきます。

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文様を彫る作業は、下絵などはなく全てフリーハンドで一発勝負。大きくぶれずに描かれる文様には、岡田さんの長年の経験が宿ります。

 

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工程が多く、手間が掛かる掻き落しの器ですが、丁寧に作られた分、素朴で味わい深い器へと仕上がっていきます。

 

まるで小鳥が舞うように

岡田さんの手によって、イキイキと皿の上を舞うように描かれる草木文様。小鳥が飛んでいるようにも見えて愛らしさいっぱい。
掻き落しを施すことで、浮かぶ凹凸は、焼きあがると美しいコントラスに。
岡田さんの器は、「愛らしさとモダン」が程よく調和し、洗練された雰囲気を纏うことで、
他の器にはない魅力を放ちます。

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毎日使いたくなる愛おしい器に

岡田さんの器は、日常に溶け込む「使って、眺めて楽しいアート」。
使う人に心地よく寄り添ってくれます。
「これからも普段使いの器を作っていきたい」と岡田さん。毎日眺めて使う毎に、愛したくなる器になっていくのではないでしょうか。

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クラリネで本日より予約販売開始

リンネルの為に作っていただいた、縁の部分の掻き落しがかわいい、別注の長角皿はじめ、全7型が本日よりクラリネで、予約販売を開始します。
※配送は3月下旬以降を予定しております。

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暮らし上手さんの憧れキッチン vol.4(前編)

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家の中でも特にキッチンには、暮らす人の趣向、工夫、
そして物語がつまっているように思います。
使いやすいようにどんな工夫をしているの?
どんなふうに過ごして、どんなごはんを食べているの?
いろいろなキッチンをリレー形式でめぐり、
暮らす人の「作って食べる」に隠れた物語をうかがいます。

白尾可奈子さんがつないでくれたのは、イラストレーター仲間というカワナカユカリさん。「まるで明治の文豪が住んでいるようなたたずまいなんです」という大きな日本家屋とか。いったい、どんなキッチンなんでしょうか?

Vol.1 福田春美さん(ブランディングディレクター)
Vol.2 栗又貴美さん(「ジーペンクォー」デザイナー) 
Vol.3 白尾可奈子さん(イラストレーター)

 

vol.4 カワナカユカリさん(イラストレーター)

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障子、縁側、木製建具。古き良き日本建築の意匠をそのまま残しています。畳のうえにカーペットとソファをおいてモダンなリビングに。中央にガラス板をはめ込んだ障子は、「額入り障子」といって昭和初期までの日本住宅で多く使われたもの。

 

昭和初期に建てられた一軒家で
日本の暮らし方を見直す

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A.20畳ほどあるふた間続きの和室の中央に本棚をおいて、リビングスペースとダイニングスペースにさりげなく分けて。「無印良品」の棚やファイルを使ってジャンルごとに整頓された本の美しいこと!
B.玄関は広々として、まるで老舗旅館のよう!欄間の上に貼られているのは大阪府堺市の神社「方違神社」のお札。旅をする時や転居時などに、ここに参拝すれば災難にあわないという言い伝えがあります。
C.玄関には、たたきのサイズに合わせて下北沢の「無相創」でオーダーした棚を。自宅はデザイナーのご主人の事務所でもあるので、手がけた書籍や作品を並べています。

 

「木がボーボーの一軒家が目印です」。そんなメールでの案内を頼りに、すぐそばに玉川上水が流れる住宅地を歩きます。おお、あった! 大きな木を残す立派な邸宅がならぶバス通りのなかでも、カワナカさんの住まいは目立っていました。
はらはらと葉っぱを落とす桜の古木。重厚な石壁。木戸門。映画のセットかな?と思うほどの、古き正しきたたずまいを残す、堂々とした日本家屋。
呼び鈴を押すと、木戸門ではなく小さな勝手口がぎいっと開いて、カワナカさんが迎え入れてくれました。
「ちょっと笑えるくらいでしょう、この感じ」

デザイン事務所を主催するご主人と1年ほど前に引っ越してきたばかり。以前、事務所は代官山にあり自宅とは別にしていましたが、偶然この味のある物件を賃貸サイトで見つけたことで、どうしてもここに住みたい!それなら、事務所と自宅を一緒にしてしまおう、という流れで事務所も自宅もまるっと引越し。マンション住まいから、1階と2階あわせて140平米越え、庭付きの住人となりました。

 

ご近所さんに、“先生はお元気でらっしゃいますか?”と
何度も声をかけられるんです。先生って……、だれのこと?

「昔から住んでいる方が多い地域で、大家であるおばあさんもすぐ裏に住んでいるんです。ご家族の方が住んでいた家みたいで、私が道路を掃き掃除していると、”先生はお元気でらっしゃいますか?”って、何度もいろんな方から声をかけられたんです」
はて、先生とは? 大家さんにまだ確かめていないけれど、おそらく当時にしても趣味のいい上等な家の造りに、作家かお医者さんだったのかも? と夫婦で想像をする。
「私は、お手伝いさんだと思われているんじゃないかと(笑)」

家のなかを案内してもらいます。歴史ある旅館のように、沓脱石まである玄関に驚き、「女中部屋だったのではないか?」という謎の小部屋に驚き、庭園のような緑を望む縁側に驚き、洗面所のこったタイルに驚き、とまるで迷路のような間取りと古い家ならではの品のいいデザインに足と目をとられ、なかなか目的のキッチンにたどりつけません。
「昔の家はこんなんだったのか、って感心しますよねえ」

事務所にしているという2階にも上がらせていただきました。
和室がふた間。そこに、カワナカさんもふくめた3人分のデスクや本棚、コピー機など置いてもまだ余裕がある広さ。日本家屋にしては珍しく天井も高く、身長184cmもあるご主人でもまったく圧迫感がないほど。
2階からは敷地内の大島桜の木が見下ろせます。ソメイヨシノとちがって花は白っぽく大輪。桜餅の葉っぱはこの樹種の葉が使われているそう。その花の蜜を吸いに鳥もとんでくるものだから、まさに花鳥風月、花紅柳緑。なんとも風情のある春が窓の外には広がります。昨年は、友人たちを呼んで2階で花見の会を。花見弁当や松花堂弁当が似合いますが、そこは夫婦揃って関西人。
「メニューは、たこ焼きです!」
ソースの匂いもなんのその、ふたりの等身大な暮らし方がしばらく住む人がいなかったというこの家を生き生きと見せてくれているよう。

 

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E.なんと玄関には沓脱石が! 沓脱石は、日本家屋を湿気から守るために床が高く造られていた頃にたたきと玄関間の段差が大きいため階段のような役割で置かれていたもの(茶室のにじり口にもありますね)。
F.玄関から廊下には赤いパンチングカーペットを敷いて「昭和な感じに」。

 

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雑誌や書籍でイラストレーターとして活躍するカワナカさん。ものや風景、人物の特徴を細部までとらえつつも、やさしい線、色づかいで独特の作風です。廊下や玄関に飾っているのは、「Way of Life」というテーマで野生動物を描いた作品。

あちこち家の中で道草をしてようやくたどり着いたキッチンは、昔の家らしく玄関から見て一番奥。完全な個室になって、多くのお客様を迎えた家の「舞台裏」といった、たたずまいです。和室に料理を出す小窓や、勝手口側に御用聞き用の小窓があったり、水屋箪笥が壁に埋め込まれていたりと、現代の住まいとはぜんぜん違う生活様式が垣間見られます。
料理をしていてさみしいかと思いきや、「仕事の来客が多いためキッチンは見えない方がありがたいし、没頭するタイプなのでこもれる感じで楽しい」。
たしかに、個室といっても2面に窓があり日当たりも風通しもよく、広さも十分。ご主人が忙しくて引っ越してくるまでほとんどふたり一緒に家では食事をとれなかったという夫婦の暮らしを変えたのが、このキッチンでした。

 

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6畳ほどもあるキッチン。光が入り明るくて清潔。出窓になったスペースにはDIYで棚を置いて、使いやすいように工夫を。

 

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左:もともと壁に埋め込まれていたという水屋箪笥。食器棚としてだけでなく、冷蔵庫がなかった時代は食材も保管していたので風通しがいいよう工夫がされているとか。
右:キッチンに入ってすぐの壁には、柳原良平氏が描いたサントリー・トリスウイスキーのキャラクターでおなじみ「アンクルトリス」の原画とエプロン、エコバッグを。この原画は、吉祥寺の絵本専門店「トムズボックス」(2015年12月末で閉店)で奮発して買ったもの。

 

左:古い台所のメリットは、炊飯器用のガス栓があったこと。「それで炊飯器をガスに変えてみたんです。そうしたら、ごはんの味が全然ちがう!」。予約機能がなかったり保温できなかったりと不便な点もあるけれど、このおいしさにかなうものはないそう。
右:使いやすくするために、ガスコンロまわりにもDIYで工夫を。ガスコンロと高さを合わせて木の台を設置。調理中の鍋やフライパンのそばに、ひょいっと調味料など置けて便利。

 

左:シンク前の出窓には小さなすのこを。木のまな板やザルなど、きちんと乾かしたいものはここに置く。風通しと日当たりがよく衛生的。
右:カワナカさんはパッケージコレクター。なかでも缶が好きでつい捨てられない。大学時代を過ごした京都の人気店「イノダコーヒー」「スマートコーヒー」、群馬高崎の「トンビコーヒー」の缶のなかには、だしや調味料などいれて再利用。

 

後編へ

溜まった汚れは今年のうちに!かんたん大掃除のコツ

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一年間の総決算に大掃除をしたいけれどあまり時間もない……。
そんなときは「どこがきれいになっていれば、きれいに見えるのか」
を意識して掃除してみませんか?
これなら普段の掃除道具の使い方に少しアレンジを加えるだけで簡単。
お部屋に溜まった汚れをすっきり落として新年を迎えましょう。

 

フローリング掃除モップは、床だけでなく「壁」にも使えます!

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リビングや寝室は、気をつけていても意外なところに汚れが溜まっているもの。

掃除は「上から下へ」が鉄則。一番良く使う部屋の、自分の目線より上の部分に注目。見落としがちな天井や壁の上の方も、ドライタイプのフローリング掃除モップで壁を軽く拭くと、面白いほどホコリが取れます。照明の傘の汚れは落ちにくいので、油汚れ用の洗剤なども有効です。

 

玄関は、固く絞った雑巾で水拭きしてすっきりと

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三和土(たたき)は水拭きを。お客さんが必ず見る部分でもあるので、しっかりときれいに。

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ドアノブや呼び鈴のホコリ取り。固く絞った雑巾と乾いた雑巾、両方を使って仕上げを。

家の中にいると忘れてしまいがちですが、自宅に来たお客さんが最初に目にするのは、ほとんどの場合ドアノブや呼び鈴です。この部分も忘れずに、「家の顔」として、丁寧にお手入れをしましょう。
また、玄関は外から汚れが直接持ち込まれる場所です。靴の脱ぎはきで足もとを見るということは、その床の部分もしっかり見られているということ。ホコリを取るだけでなく、固く絞った雑巾で水拭きをしましょう。

 

キッチンのしつこい汚れには、重曹ペーストで汚れとりパック

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歯ブラシを使うと、指でつけるよりも満遍なく塗りつけやすくなります。

キッチンの掃除も「上から下へ」のルールに従って、レンジフードや冷蔵庫の上、食器棚の上段から手がけます。五徳やコンロのしつこい油汚れには、重曹ペーストを。シンクで重曹が湿るくらいの水分を混ぜて、歯ブラシなどで塗りつけます。5〜10分ほど置いてから洗い流しましょう。

 

水まわりの「光るところは、徹底的に光らせる」がルール

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手ぬぐいやマイクロファイバーのクロスを仕上げに使えばピカピカに。掃除中は、常に携帯しておくのがおすすめです。

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鏡にそって手ぬぐいを「コ」の字に滑らせれば、マイクロファイバーにも似た仕上げ効果が。

ステンレスや蛇口、鏡などの「光るところ」は、よく光らせることで、清潔な印象を与えられる重要な部分です。
特に手ぬぐいは目の粗さが程よく、耐久性に優れた、掃除の強い味方です。薄いクエン酸水をつけた布や雑巾などで水アカを落とした後に水拭きし、仕上げに手ぬぐいを使うと効果的です。

 

お風呂の落ちにくい水アカ汚れには、洗剤ティッシュパックを

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見落としがちな洗面器や石鹸受けなどの小物もしっかりきれいに。

お風呂掃除は、まず室外に小物を出してから、浴室内全部に水をかけて汚れを浮き上がりやすくしましょう。
桶などの汚れが気になる場合は、ティッシュでパックするように表面全体を覆い、浴室用洗剤を満遍なくスプレーします。5〜10分置いたら、ティッシュを捨て、水でよく洗い流しましょう。
浴室内の掃除も他の場所と同様に「上から下へ」。窓や換気口の掃除をした後、壁・鏡・浴槽、床へと移ります。

 

普段から使っている洗剤や掃除アイテムでも、使い方のコツをつかめば大掃除にも役立てられます。
今年の溜まった汚れを、今年のうちに洗い流して気持ちよく新年を迎えましょう。


<取材協力>
ミッシェル・ホームサービス株式会社
掃除や洗濯、整理収納など、暮らしをサポートするオーダーメイド型の家事代行サービスを提供。ハウスキーピングのプロとして、年間5万件のサービス実績を誇る。https://www.michell-hs.co.jp/

写真/加藤望、取材・文/立石郁

 

倉敷意匠/ブナ長柄 シュロほうき ¥6,480
倉敷意匠/ちりとり ¥6,156
倉敷意匠/mitsou 蚊帳生地ふきん 大 ¥907

そうじ道具一覧はこちら

土鍋のある暮らし

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4th-market/安具楽鍋9号 ¥12,960

お正月は終わりましたが、まだまだ寒い日が続きます。そんな寒い夜には、土鍋を囲んだアツアツお鍋料理が嬉しいですね。
食卓を囲む鍋メニューに、クラリネがオススメする鍋アイテムをご紹介します。

 

プロの料理人に愛される土鍋/長谷園

長谷園/キャセロールマイン ¥2,700

お鍋の季節になるとメディアにも多く取り上げられる長谷園(ながたにえん)の土鍋。
プロの料理人が、「土鍋だから美味しいんじゃない、長谷園の土鍋だから美味しくなるんだ!」というほどの実力。

長谷園商品一覧はこちら

 

ちょっとお洒落に素敵に/4th-market

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4th-market/コッタ オーバルキャセロール ¥4,860

北欧のヴィンテージのキャセロールのような雰囲気を漂わせる4th-maraketの土鍋たち。
オーソドックスなものからちょっとお洒落で素敵な鍋をご用意しています。

4th-market商品一覧はこちら

 

鍋メニューに使える小物たち/工房アイザワ

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工房アイザワ/銅ミニおろし 小 ¥1,944

鍋をする時に使えて便利な小物たち♪金物の産地、新潟県燕山上で生まれた、工房アイザワのステンレスのツール類は、どれも食材を更に美味しくしてくれる洗練されたツール類、おすすめです!

工房アイザワ商品一覧はこちら

 

平澤まりこ×Pekka×リンネル ショルダートート(前編)

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平澤まりこ×Pekka×リンネル ショルダートート

「あえて甘すぎないモノトーンの配色と作りにこだわり」

 

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「リンネル」の占いのページのイラストを創刊から手がけてくださり、著書や他誌連載も多数と、大活躍のイラストレーター平澤まりこさん。その平澤さんが企画から携わり、このたび使い勝手のいいショルダートートができました。

 

男女問わず、シーズン問わず使える

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早春に映える真っ白なキャンバス地がなんとも爽やかなショルダートートバッグが完成しました。手持ちもできる2wayで、サイズはたっぷりのH32×W50×D14cm。内側のポケットが大きめで、仕分けがついているのも平澤さんのこだわりです。
「甘すぎないように、取っ手の革部分も、茶色などではなくあえて黒で。スナップ部分もシルバーにしました。イラストも、シンプルに黒、グレーでまとめたので、男女問わず使っていただけると思います」。

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(平澤さんとの打合せ風景)

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帆布選び。少し厚手のキャンバスが、やはり上質で丈夫でハリ感もあっていい、と6号帆布に。

 

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布選びから平澤さんの思いは明確です。少し厚手のほうがしっかり感があっていいね、プリントののり方は?など、綿密に詰めていきます。マチの始末の仕方、糸の見え方もすっきり見えるようデザイン。生地も工場もすべて日本製なのも魅力。

 

「あえて犬でいきたいんです」

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そして、平澤さんが今回の絵柄のモチーフを決めてきてくれました。「犬でいきたいなあ」と。「猫ブームになっていますけれど、絶対犬派もたくさんいると思うんですよね。そこも言いたくて(笑)」と平澤さん。そして、今回モチーフとともに、保護犬のこともこのかばんをきっかけに伝えていけたらと思っている、と私たちにお話してくれました。

 

MANY DOGS THANK FOR YOUR HUGの意味

メインモチーフに書かれた英文字「MANY DOGS THANK FOR YOUR HUG」。「HUG=LOVEととらえていただけたら」と平澤さん。今回のコラボトートは、平澤さんのデザイン料の一部が、個人で「保護犬を飼おう」という活動をされている方へ寄付されます。1年前から飼っている愛犬ペッカも、この「保護犬を飼おう」を介して出会いました。「バッグが可愛いと思っていただいて。そして、保護犬のことも知っていただき、HPなど見てもらえたらいいなと思っています」。

 

保護活動をされている方やペッカとの出会い、このトートへの思いは後編へ続きます。

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平澤まりこ×Pekka×リンネル

ショルダートートがリンネル公式WEB SHOP「kuraline(クラリネ)」で1/12(火)から予約開始。

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6号帆布でしっかりした作りとモノトーン使いで男女、季節問わず使えるショルダーバッグ。2wayで手持ちもできる取っ手の革のやわらかさもうれしい。デザイン料の一部は「保護犬を飼おう」に寄付されます。

暮らし上手さんの憧れキッチン vol.4(後編)

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vol.4 カワナカユカリさん(イラストレーター)後編

築70年の日本家屋に引っ越してきたばかりのカワナカさん。今ではほとんど見られなくなった日本建築ならではの美しい意匠や、「台所」という言葉が似合う、キッチンまわりのていねいな使い方の工夫。暑い、寒い、虫が出る!といった洗礼。古い家に住みたい!と思っている方は、ぜひ前編を。
後編では、仕事場と自宅を一緒にしたことで大きくかわった、という生活についてうかがいます。

前編はこちら


家が変わると暮らしも変わる

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自宅をデザイン事務所にしているご主人の就業時間は、昼の12時から20時まで。ほかにスタッフもいるため、ご主人は時間通り2階へ”通勤”して仕事をしますが、イラストレーターであるカワナカさんは自分の仕事が終わったら自由時間。
もともと家で過ごすことが好きな方だった、といいますが、今は予想外のできごとにさらに家での時間が楽しくなったそう。
庭に柿が鈴なりで食べきれないから干し柿を初めて作った、クルミがぼとぼとと落ちてくるから料理に使おうと拾って保存している、春は桜、夏は紫陽花、百日紅、冬は椿と花が咲くから花屋に行く回数が減ったーー、と庭が与えてくれた恩恵は大きいようです。

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これまで夫婦で食事を取るのは朝だけ。夜も遅いご主人の健康を心配していたけれど、今は、3食を自宅でともにとれるようになりました。朝、天気がいいと縁側においたソファで朝ごはんを。12時の始業前に昼食を食べて、終業後の8時に夕食。カワナカさんは自分の仕事をしながらも、途中デスクを離れて食事を作りに降りていく。仕事が忙しい時は、食べてからまた2階の事務所へ。
「前は私もひとりで面倒だったので、あまり料理をしなかったんです。するようになったといっても、お味噌汁をつくってごはんに雑穀を混ぜるくらいですが」
そう謙遜をしますが、キッチンは使いやすいようにDIYで工夫をし、炊飯器はガスタイプに買い替え、白米のおいしさを追及中とか。 
この家への引越しが変えてくれたのは、食生活と夫婦の時間。食が変わると体も心も健やかにかわる。「家が元気をくれる」というのも納得の理由が、このキッチンにはありました。

 

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A.ダイニングスペースとして使用している和室の一角。ツルウメモドキの赤い実をしつらえて。
B.ふすまのサイズに合わせて買った収納棚。書類を収納。下北沢の古道具店「山本商店」で購入。
C.料理に使うクレソンはコップに挿して新鮮な状態をキープ。「懐かしいデザインのコップ、昔家にありましたよね」


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私の勝負めし「ココナッツカレースープとターメリックライス」

ココナッツが入ったルーを使わないカレーで、少し固めに炊いたターメリックライスと、トッピングにはゆでたまご、と本格的。”毎日カレーでもいい”というカレー好きのご主人のために、夜がカレーなら翌昼はタイ風カレーラーメンに、アレンジするなんて料理が苦手といいながらもなんてできる嫁! スパイスとナンプラーの利かせ方も絶妙です。

 

<作り方メモ >

ココナッツカレースープ/
「鶏手羽元は包丁で筋を入れて、塩麹をまぶして半日ほど置きます。鍋にオリーブーオイルを入れニンニクを炒め、鶏手羽元を入れます。表面に色がついたら好み野菜(タマネギ、ズッキーニ、人参、いんげん)を入れ、軽く炒めて、水をひたひたに入れローリエ、野菜ブイヨンを入れて煮ます。野菜がやわらかくなったらトマトとカレー粉を入れさらに煮つめ、ココナッツミルクを加える。最後にスパイス(ターメリック、クミン、シナモン)で味を調整します。

ターメリックライス/
「米を洗って炊飯器に入れ、普通より水加減を少し少なめにして
ティースプーン2杯ぐらいのターメリックとココナツオイル、黒こしょうを少々入れ、炊飯器で炊きます」

「ターメリックライスを盛りレーズンをちらし、ココナッツカレースープをかけ、クレソンやパクチーなど香草とゆで卵を添えていただきます」

翌日の昼には
「カオソイ」に

「カオソイはタイ風カレーラーメンです。茹でた中華麺に残ったココナッツカレースープをかけて、高菜、茗荷、もやし、パクチーをのせていただきます。ナンプラーを足してもおいしいですよ」


カワナカさんにとってキッチンとは?

「キッチンだけでなく、この家全体なんですが、毎日に楽しみとパワーをくれる、そんな場所です」

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